《木の国》飛騨の象徴である一位の木は、イチイ科に属する常緑樹です。
一位の語源は、平安時代(平治年間)二条天皇即位の折、高山市街地南方に飛騨一ノ宮水無神社(ひだいちのみや みなしじんじゃ)があり、その神体山として祀る位山(くらいやま、標高1,529m)の一位で作られた笏(しゃく)を献上したところ、他の材より質が良く優れていることで「正一位」を賜ったためと伝えられています。
そして江戸時代末期、根付彫刻師・松田亮長(すけなが)が一位材の特徴である白太・赤太(辺材・心材)を使い、彩色を施さないシンプルな造形の一位一刀彫を大成しました。
一位の木は年月が経つにつれ木肌や木目の色艶が深くなり、美しい飴色に変化するのも魅力です。
伝統的な根付や置物、茶道具などのほか、近年では時代に合わせた作品も製作しています。